◆◆◆◆◆◆ 暗号技術の直面する問題 ◆◆◆◆◆◆
暗号技術は、情報セキュリティを支える重要な技術の1つです。暗号技術があるからこそ、安心してインターネット経由で事業活動を行うことができているのが現状です。
現在、一般的に使われている暗号は「素数」と呼ばれる数の組み合わせで作られています。
暗号を解くための計算量を多くし、いわば解読するための計算に膨大な時間がかかるようにすることで、安全性を担保しているとされてきました。
暗号の2030年問題
量子コンピュータは2030年には実用化されると想定されています。そのため、サイバー攻撃者が量子コンピュータを用いた攻撃を実行してくる恐れがあるのです。
これが、「暗号の2030年問題」と言われるものです。
複雑な計算問題を圧倒的な早さで解くことができるとされている量子コンピューターが実用化されると、簡単に暗号が破られてしまう恐れがあります。
このため、2030年に先駆けて、防御策を実現する必要があり、そこで、耐量子暗号の選定や鍵長ポリシーの見直し等、磁性大暗号に向けた標準化が、日米において進めれらています。
量子コンピューターの登場による既存の暗号技術への脅威、そしてその対策
既存の暗号技術 | 量子コンピュータの影響 | 対策 |
公開鍵暗号(RSA暗号、楕円曲線暗号) | アルゴリズムが破られる | 耐量子暗号への移行 |
共通鍵暗号(AES等) | 鍵探索が効率化される | 鍵長ポリシーの再検討 |
量子暗号通信の仕組
ここで問題です。
暗号方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
1、公開鍵暗号方式、共通鍵暗号方式ともに、大きな合成数の素因数分解が困難であることが安全性の根拠である。
2、公開鍵暗号方式では原則としてセッションごとに異なる鍵を利用するが、共通鍵暗号方式では一度生成した鍵を複数のセッションに繰り返し利用する。
3、公開鍵暗号方式は仕様が標準化されているが、共通鍵暗号方式はベンダーによる独自の仕様で実装されることが一般的である。
4、大量のデータを短い時間で暗号化する場合には、公開鍵暗号方式よりも共通鍵暗号方式が適している。